mi-tenn2005-11-13

日テレ・土曜ドラマ野ブタ。をプロデュース
ドラマの原作は白岩 玄・作、第41回文藝賞受賞作&第132回芥川賞候補作という話題のベストセラー小説。

舞台は教室。プロデューサーは俺。いじめられっ子は人気者になれるのか!?

キモチ悪いほどおどおどしたいじめられっ子転校生。

そんな野ブタを人気者にすべく、プロデューサーを買ってでたオレ。

果たして“野ブタ”の行く末は・・・?

2005年、新たなる”青春シンデレラストーリー”

プロデューサーは亀梨和也KAT-TUN)&山下智久(NEWS)"
主題歌、青春アミーゴはCD未発表だった絆が収録されていることもあって、大ヒット。


野ブタ。をプロデュース」というドラマの題名を見た時、正直、見るのをためらった。
ダメな女の子を素敵な女へ。
そして生まれ変わりつつある女との恋。
この手の話は永久願望なのか、いつの時代でも出てくる。
マイ・フェア・レディ、プリティー・ウーマン、源氏物語の紫の上が好きな人はこのドラマを楽しく観れると勝手に思っているのだが、自分はドラマを見ていて拒否反応が出てしまう。亀ちゃんは可愛いのに。
私は谷崎潤一郎痴人の愛」が嫌だけどわかる感じ。田口ランディ作「コンセント」での心理学教授と女生徒との「教育者と生徒」の恋の関係性が、擬似近親相姦であると答えが出た時点で、なぜあれほど熱狂し自分を見失うほどの恋が、ある時点から虫唾が走るぐらい気持ち悪くなり、結果相手をぼろ雑巾のように捨ててしまうのか目から鱗落ちまくりで、「コンセント」を私に読むように薦めたジョージ君に驚愕を隠しえなかった。
痴人の愛で冴えな少女を自分の思い通りの女に育て上げることに生き甲斐を感じ、惜しみない情熱とお金をつぎ込むが、自分のマリオネットであったはずの女が妖婦に化し驕慢で嗜虐的な女に、果てには翻弄され拝跪する主人公の名はジョージ。何なんでしょうかこの共通点は。
度の過ぎた支配と調教に戦いを挑むまでは、なんだかんだ言ったって幸せ。
盲目で鵜呑みな飼育愛には賞味期限がある。
私はバースデーケーキが誕生日を過ぎた後の話に興味があるのです。
「よくよく考えてみたら、頼みもしないのに、偉そうにしやがって。いい加減自由になりたいな。これまでの事は感謝はしてるけど、正直もう限界。」こんな気持ちがサドの覚醒の合図。

「マゾヒストは専制的女性を養成せねばならない。説得し、契約に「署名」させなければならないのだ。マゾヒストは本質的に訓育者なのである」とはジル・ドゥルーズの弁。

こんな事に気がつく前に、ここまで来てしまう前に、タイミング良くプロデュースを終了できたら「今まで本当にありがとう。感謝してます。」ってな具合なのに。現実は難しいよ。