mi-tenn2005-09-05

ロンドンで写真の勉強をしている大親友からポートレート(人物画:庶民)について質問がありました。
浮世絵以前の時代のポートレートについて何か知っている人は、参考文献や詳しいサイトを教えてほしいです。
ロンドンでは日本の文献や本があまり無いため困っている様子。以下は自分なりにまとめた分ですが、訂正や指摘があればコメントに書き込んでくださいませ。
お願いします。

普通の人の内面を含んだ、人間性を描写すると言う点においては、縄文時代土偶や男の子の埴輪、土を使った造形の自立的発展の例証がみられ、その中に庶民の様子が見て取られる。

日本の絵画は仏教文化の伝来で飛躍的に発展し、推古18年<610>年、紙、墨、顔料の製法がが伝えられ、仏教絵画制作が活発化したんやけど、人物描写はかなり自由な感じで、服飾や顔の感じとかは、その頃の風俗がかなり反映されてて、仏教画の中に、自然と
ポートレートの要素が紛れ込んでる感じ。

庶民だけを扱うんではなくて、その中心には崇拝するメインが存在している。絵の中の庶民だけを切り取って部分だけでみると、立派で表情豊かな庶民のポートレートになったりする。

752年、宗教的な題材ではなく、「風俗画」としての題材を扱う婦人図が登場。これは、唐の長安の流行を、いち早く取り入れていて、最新のモードとして紹介したもの。1603年江戸時代に風俗画発生と一般的には言われているけど、これは、「宮廷内だけの天武天皇時代風俗画」、「庶民にも手の届く江戸時代風俗画」、の違い。
普通の人間の人物画という点では一致しています。

「世俗画」は12世紀の院政時代に豊穣をむかえ、宮廷内で文化サロンが形成され、女房達が、文芸の才を競う際に、物語り絵や歌絵など、小画面作品を鑑賞し、女絵を描いていたりして、これは、絵と共に詞書の書風や料紙の装飾が一体となって見事な洗練美となっています。人間性爆発源氏物語絵巻とかもこの時代。ポートレート&ポエムみたいな(笑)

絵巻物は私の中でポートレート集大成みたいな感じ。
絵巻物って漫画みたいに人が動いて感情表現していたり、庶民の生活とか当時の町並みなど、観てて面白いです。

桃山時代は風俗画全盛期であり、それは、その他のどの民族どの時代にもないほどのものであり、風俗表現をふまえながらも、現実の都市空間を捉えた類稀な都市風俗画に成っています。
絵巻物の一人一人を観ていると、日本人が言わず、語らずの内に共同幻想として抱いている普遍的な叙情性や感受性が一致してくるようです。
庶民の中のたった一人をピックアップして、その人の内面を鑑みるという形ではなく、規模が都市レベルで、空から人々のポートレートを読み取る感じ。スケールがデカイ。ウォーリーを探せみたいな感じ。
 
江戸時代中期は狩野派の守景が農村生活を取材した作品に真骨頂を発揮し、当時の人々の生活感情に裏打ちされた作品を農民を活写し絵で表現しています。

浮世絵以前の時代で気になった所をあげてみました。
的外れな事言ってたらゴメンよ。



参考:日本美術史(美術出版社)

ジョージ君建築設計始め。